これから言語聴覚士を目指そうとする人へ
よく、ネット上では、
「これから○○を目指そうと思うけど、大丈夫ですか?」
「就職、給料の心配は?」
などなど、多数のページが上がってきます。
よって、今回は、私の職業「言語聴覚士」について、以下の点からリポートさせて頂き、リアルな声をお届け致します。
タイトル
これから言語聴覚士を目指そうとする人へ
- 基本学力について
- 学費について
- 資格はとれるのか
- 資格を取ったら就職先はあるのか
- 気になる給料は
- 将来性は
このようなテーマはネット上にいくらでもごろごろしていますが、
実際に現場で働く言語聴覚士の生の声を届けるものは、あまりないかと思います。
まだまだレアであり、価値のある職業です。
世の中の認知度もまだまだ低く、数ある職業の中から、言語聴覚士を知り、興味をもってくれたからには、
その背中を押し、いつかこの業界で一緒に働くためのサポートをしたいと考えています。
はっきりいって、学費は安くありません。
学生時代も楽しいことばかりではないと思います。
専門職養成機関に入るのだからです。
みなさんも、ぜひ、高校生といえども、
自分の選ぶ道、親の負担する額と期間、わかる範囲でいいので、しっかりと押さえておきましょう。
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基本学力について
言語聴覚士になるにあたり、大学または専門学校の専門の養成機関に入ります。
詳細は、日本言語聴覚士協会におゆずりするとして、
https://www.jaslht.or.jp/work.html
大学や専門学校で入学難易度は異なりますが、
特に専門学校に関しては、入学時点では入り口は狭くなく、平均評定3.5程度あれば問題なく入学できると思います。
入学後に活かされる教科としては、生物、物理、現代文です。
とくに高校時代に履修していなくても、問題はないですが、どんどん始まる専門講義のイメージがしやすくなります。
盲点なのが、漢字です。
医療用語では、難解な漢字の読みが出てきます。また、レポートで、文章を書く力も求められます。日頃から本などで、文章に慣れておくことをおすすめします。
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学費について
言語聴覚士養成校は、3年制、4年制の学校があり、また大学卒業の学歴のある人は、2年過程の学校があります。
はじめ紛らわしいのですが、
専門校で勉強して卒業しても、もらえるのは、言語聴覚士国家試験を受けれる権利だけです。
卒業と同時に国家資格取得ではなく、国家試験に合格してはじめて、言語聴覚士となり、言語聴覚士として働くことができます。
となるとですね、
言語聴覚士の学校(医療系の専門学校)は、他の専門学校よりも、ずば抜けて高く、
初年度の学費は、
だいたい私立大学の初年度の学費と同じぐらいです。
その他にも、教科書代、実習代などあわせると、4年制の私立大学の3年間、もしくは4年間となんらかわりないのです。
もちろん、地元から離れるなら生活費がかかり、かつ大学生と比べると、バイトにかけられる時間も少なく、
私もなかなか親を泣かせてしまいました。
当然、私含む、同級生たちも奨学金借り入れ率がかなり高く、学生時代から奨学金返済のプランを話し合うなど、なかなかシビアな学生時代でした(笑)
それぐらい、お金の問題はリアルなんですね。
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資格はとれるのか
資格はとれるのか、一番大事なところですね。
詳細は、またこちらから見ていただきたいのですが、
http://www.jaslht.or.jp/trend.html
直近の(平成29年言語聴覚士国家試験)合格率は、
なんと、75.9%!
かなり、高水準で、合格率を維持しています。
一昔前まで、言語聴覚士は、リハビリスタッフの中でも国家試験合格率の低い資格でした。
私が受けた第11回言語聴覚士試験は、合格率57.3%でした。
言語聴覚士試験の難易度は、各年でかなり推移します。なので、あたりの年か、はずれの年か、ってところも正直なところですが、
近年では、
他のリハビリ専門資格である理学療法士、作業療法士との均衡を図るべく、合格水準を調整してること、
また、言語聴覚士は、全国的にもまだまだ不足しているので、活躍する枠を広げていることもあるかと思います。
この流れはいつまで続くかはわかりませんが、
在学中に、普通に勉強し、国家試験前に先生に指導されながら、歯をくいしばって取り組めば、十分に合格できます。
国家資格浪人といって、十分な知識があるものの国家試験に受からず、現場で働けないことが多々あります。
この資格を目指すなら、みなさん、入学時から国家試験のことはやんわりと意識していきましょう。
資格を取ったら、文字通り一生ものです。
(使うか使わないかはあなた次第ですが)
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資格を取ったら就職先はあるのか
資格を取ったら就職先はあるのか。
あります。
十分にあります。
現在(平成30年2月時点)、言語聴覚士は全国的に不足しており、
どこもかしこも募集しています。
病院、高齢者施設、小児施設、訪問看護、耳鼻科関係、起業・フリーランス等、
その活躍の場は多岐にわたり、年々増えつつあります。
就職するときは、地元に帰りたい!という方も、十分に可能だと思います。
ただ、小児施設希望だと、就職先が絞られてきます。このあたりは、就職先を狭く限定せず、少し広めにとらえているといいと、思います。
また、言語聴覚士は活躍されている年代が平均30代と、若い職業であり、
こうして、若い人たちが活躍の場を持てることも、
言語聴覚士が国家資格になる前から、その必要性を説いてくれた先輩方のおかげなんですね。
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気になる給料は
気になる給料面ですが、初任給時の基本給が、
15万代~22万代が多いようです。
また、地方になるとこの基本給が高い傾向にあるようです。
新社会人の基本給としては、高い傾向にあります。よって、国家試験さえ、合格したら、就職は安定してでき、かつ、基本給もいい仕事なんですね。
学費で使い込んだ分だけ、親を安心させましょうね。
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将来性は
言語聴覚士の働く場は、
脳神経外科では、近年治療が進み、
失語症や構音障害の方が以前よりも少なくなりつつあります。
ですが、最近は、超高齢化により、嚥下障害に対する注目度が高く、
また小児に関しては、発達障害の関心が高い傾向にあります。
よって、将来性についても、安泰といえると思います。
言語聴覚士不足の解消は、数年で解決するとは思えないので、こちらについても、心配ないかと思います。
長文となりましたが、
せっかく言語聴覚士という仕事が気になったのに、リアルな情報が少ないばっかりに、目指すことをやめてしまう、
ことがないように、ここに書かせてもらいました。
私自身、危機感を持っているのは、
人口減少により、現在存在する職業が少なくなる危機があり、
言語聴覚士という仕事は、どの時代になっても需要はあるので、
仕事自体はなくならないとしても、
その需要に対し、供給が追い付かないことを恐れています。
たった一人でも、言語聴覚士をめざしたい!と思った方を逃したくないと思っています。
だって、この仕事が好きだからです。
もっと、もっと、この仕事のおもしろさを共感したいと思っています。
長々と読んでくださりありがとうございました。
次回予告
「続・言語聴覚士という仕事を目指そうとする人へ~不足しがちなもの編~」
次回も、どうぞよろしくお願いいたします!
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