フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

続・言語聴覚士という仕事を目指そうとする人へ~不足しがちなもの編~

続・言語聴覚士という仕事を目指そうとする人へ

~不足しがちなもの編~

 


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前回は、言語聴覚士を目指す上での基本軸となるお話をさせて頂きました。

 

第一段あっての、第ニ段なので、

読んでない方は、ぜひ前記事を読んでから読むことをおすすめ致します。

 

これから言語聴覚士を目指そうとする人へ - こだわりの言語聴覚士はしっ子の、こだわらない話

 

 

さて、

第一段が基本軸なら、
第二段は、外枠の話です。

 

基本軸が構成であるなら、

外枠は、変幻自在です。大きくもなり、小さくもなる。

 

ということで、外枠である

言語聴覚士を目指す上で、不足しがちなものについて、述べさせていただきます。

 

 

まず前段階として、ちょっと小話ですが、

 

 

リハビリセラピスト3職種を

性格分析をして、ざっくり分けるとこうなります。

 

 

理学療法士 元気いっぱい、 体育会系


作業療法士  気遣いが細やか、

      おだやかな人が多い


言語聴覚士  おとなしい 個を好む傾向にある

 

 

もちろん、あてはまらない人もたくさんいますが、

なぜかですね、大きくざっくりとらえると、このような傾向にあります。

 

これは、目指す上でだんだんなっていくのか、

もともとの性格・気性なのかはわからないのですが、

 

要するに、言語聴覚士は、わりと控えめな方が多いんですね。

 

ぐいぐい前に出るよりは、周りと同調するのが上手で、和を乱さず、丁寧に他者との関係を育む人が多いように感じます。

 

 

言語聴覚士になる上で、最終学年の際に臨床実習があります。

 

通常、約7週間の臨床実習が2回あり、連日連夜徹夜ぎみの、学生にとって、ここをクリアしないと卒業すらできない不動の関門が待っています。

 

その際に、言語聴覚士特有の性格が災いしてか、力を発揮できない人が多いのです。

 

コミュニケーション治療の専門家なのに、

自分達がコミュニケーション下手になって、

聞けない、話せない、相談できない、頼れない、何に困ってるか自分でもわからない、

 

また、他者と深く関係を構築するコミュニケーションから、自ら逃げるタイプの人もいます。

 

現実に、せっかく最終学年まできても

実習が大変なものになったり、

また、晴れて言語聴覚士として採用されても、うまく組織内で自分の居場所をつくれない

そんなことになると非常にもったいないものです。

 

そういった点で、

言語聴覚士になる上で、不足しがちなものを

今回は述べていきます。

 

 

 

【今回の目次】

  • 外枠を構成するもの

  • 人・経験・感じる

  • 感性豊かがもたらすこと

  • イメージ力がすべて

  • 自分だったら

 

 

 

  • 外枠を構成するもの

外枠とは、自由自在に変化できるものです。

コミュニケーション場面において、それぞれの経験したもの、感じたものなどは、それぞれ固有のものです。

みんな違うから、聞きあって、話すことが楽しい。

 

言語聴覚士は、自分の今までの経験がすべて活かされる仕事だと思います。

(これは、介護職も同様) 

 

なにせ、仕事でお会いする方は、

失語症や構音障害、認知症により、

言葉が不自由な方。

 

普通に聞いていても、何をおっしゃりたいのか、どうしてもわからない時があります。

 

そんな時、自分の経験や知っていること、聞いたことが、パッと活きるのです。

 

「このこと?あのこと?」

選択肢を提供できるので、お相手の方も話しやすくなり、

この人ならちゃんと聞いてくれる、と思って、安心し、信頼してくれるようになります。

 

これが、臨床で言語聴覚士として働いて、

やりがいのある瞬間です。

 

大多数の中の選ばれた一人になるわけです。

 

自分にだけは話してくれる、教えてくれる。

 

そんな信頼関係の築ける言語聴覚士になるには、自分を構成する外枠が勝負です。

 

そして、外枠は努力次第で変えられます。

 

社会人入学で、仕事をいろいろとされていたとしたら、その経験はばっちりいきます。

 

酸いも甘いも経験があるか、ないかで、

発せられる温もりある言葉に違いが出るのです。

 

 

  • 人・経験・感じる

外枠を構成するものは、今まで経験してきたものすべてです。

 

それは、

今までに出会った人から何を教わったか、

 

人間的に深みのある喜怒哀楽ある様々な経験をしてきたか、

 

そこから何を得て、感じたか、

 

によって、つくられます。

 

言葉に温もりがない、どこか冷たい人は、

この3条件が不足している人が多いと思っています。

 

逆に、この3条件が十分にある人は、

人間力豊かで、

しなやかで、人間的に魅力的な人です。

 

そのためには、いろんな場に自分を置くことが大切です。

所属が増えると、飛躍的に出会う人、経験、

感じるもの、学ぶものが増えていきます。

 

そのなかでも、

 

アルバイト、

部活動、

旅、
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恋愛、

ときにはケンカも、

 

他人や、自分自身と向きあうことになるので、

人間的に魅力的になる経験がつまってるんですね。

 


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これは、ケンカの域をこえていますね…。

 

 

 

  • 感性豊かがもたらすこと

言語聴覚士は、相手の世界に入り、

会話を引き出し、

話せなくなったから、話したくない

と思っている方々へ、

気持ちよく話してもらえるために

あの手この手をつくします。

 

その方の中に埋もれている言葉を引き出すために、

その対象の方の趣味や興味のあるものを自ら学び、会話の糸口にします。

 

お陰さまで言語聴覚士は、物知りの方が多いんですね(笑)

 

そこで、自分の知らない新しい世界を知ったとき、感じた発見や疑問が大事なのです。

 

その発見や疑問をネタに、

言葉を引き出す会話術が始まります。

 

自分の興味ある、好きなことはみんな話したいものです。

 

「私、知らなかったんですが…」

から始めると、大体の人は食いついてくれます。

 

感性豊かに、素直な心で、聞く

 

これで、患者様との距離は、ぐっと近づきます。

 

 

  • イメージ力がすべて

とにかく想像するのです。

 

なにせお相手の方は、病気や加齢により、

うまく話せない、

頭では理解が十分にできない方がほとんど。

 

相手の立場にたって、考えられる力、

相手の懐に飛び込んで、

同じ高さで物事を見る力が必要です。

 

そのため、次に述べる自分だったらが、

非常に重要になってきます。

 

 

 

  • 自分だったら

 

自分だったら、

 

この視点があるかないかで、

セラピストとしての器が問われます。

 

自分だったら、

50も60も若い人に、馴れ馴れしくされたらどう思うだろうか?

 

中途半端な知ったかぶりで、
わかったふりをされたらどう思うだろうか?

 

自分の話を最後まで聞いてくれなかったらどう思うだろうか?

 

子供扱いされたらどう思うだろうか?

 

ある日、突然に言葉を失ったら、
何を伝えたいだろうか?

 

伝える方法は言葉以外にないのだろうか?

 

 

言語聴覚士を目指す学生さんや、

若い言語聴覚士さんに非常に多いのですが、

一生懸命教科書を見てるんですね。

 

前提として、専門知識は必要不可欠ですが、

 

おっと、その前に、

 

目の前のその方には、

 

これまで普通に生きてきた人生、

そして、これからも続く人生があるんですね。

 

ある日、突然はじまった、

今までの普通がまかり通らない世界。

 

言葉が不十分なストレスをいかに緩和し、

ストレスのはけ口になれるか、

それは言語聴覚士だから許された仕事なのです。

 

個人的には、

長年連れ添った夫婦が、

会話の機会を奪われることは、非常に寂しく思います。

 

話さないのではなく、話せないのだとしたら、

会話の機会が少ない、

お父さんたちを重点的にリハビリします。

 

コミュニケーションの世界から断絶しないように。

 

まわりとうまく話せなくてもいい、

まずはセラピストと、楽しくおしゃべりできる関係になる、

 

難しい専門用語よりも、

まずはこれなんです。

 

患者様が楽しくおしゃべりできる

人になる、

 

この人になら話したいと思ってもらえる人になる、

 

これにつきると思います。

 

 

続・言語聴覚士という仕事を目指そうとする人へ~不足しがちなもの編~

 

が終了となります。

 

もし、こんなこと聞きたい!

なんてリクエストあればお答えしますp(^-^)q

 

シリーズ、長文ありがとうございました。

 

 

 

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