フリーランス言語聴覚士になって気づいた8つのこと。
こんにちは。はしっ子です。
昨年(2016年)7月から、言語聴覚士のフリーランスとなりました。
そもそも言語聴覚士自体あまり知られていない職業なので、簡単に説明しますと、
生まれつきや病気等で、言語によるコミュニケーション、または食べる嚥下機能の回復のための訓練等をするリハビリセラピストです。
小児~高齢者まで、聴覚分野で活躍する言語聴覚士もいます。
通常、病院や高齢者施設等に所属する言語聴覚士(通称ST)が多い中、
なぜフリーランスになったのか。
それまでは、約8年、高齢者施設で常勤勤務でした。そこで、管理職も経験させて頂き、それはそれは、勉強になる日々でした。
が、
所属した形だと、出会う人、事業内容が限られてしまう。
トップに許可をもらうために、えらい時間と労力がかかる。
等々、
職業として希少価値はまだまだあるので、フリーランスになっても活躍の場はあるのではないかと、一歩踏み出しました。
こんな人、そうそう聞きません。
昔から、自営業になぜか憧れがあり、『起業』そのものにも、興味がありました。
しかし、退職後、個人事業主=起業すると同義ですが、なにをしたらよいのか、正直わからないまま・・・。
本やネット情報など、情報をかき集める孤軍奮闘の日々が始まりました。
現在、はしっ子は、NPO食べる力・円という団体を立ち上げ、
高齢者の飲み込みの機能を維持する予防活動、ご家族のケア、コミュニティの場として、嚥下サロンというものを今年の4月から始めました。
現在は、少しずつ地域に知られてきていて、活動の場がじわりじわり広がってきています。出張形式をとっているので、今後も近隣の高齢化率の高い地域へ足を運べたらいいなぁと思っています。
微力ながらもここまでくるまでには、紆余曲折いろいろありました。
まず、
フリーランスになって気づいた当たり前のこと。
1.仕事がない。
これは、あたりまえです。所属していないのですから。
でも、私は、まじめに、メールで仕事の問い合わせがくると思っていました。
営業もしていないのに(笑)
それくらい、会社の信用のもとで働くことに慣れすぎていたんですね。
名刺をくばっただけで、『言語聴覚士は珍しいから、仕事がくる』
最初はそう信じていました。
幸い、業務の調整上、週12時間だけ前職場でお世話になることになったので(契約社員という形で)、退職後翌月からじゃんじゃんくる、市民税やら道民税やら、あれやこれやの支払いは、済ませることができました。。。
2.信用がない。
はい、所属していないからです。
私が、退職して、外の世界にでるまでしらなかったこと。
それは、この地域、この業界で、はしっ子の名前は、結構知られていると思っていたけど、特段知られてはいなかったこと。
知られていない事実を知るまで、ややかかりました。
それから、同業者の人の集まりには、積極的に顔をだすようにしました。
駆け出しの1年間だけでも、これはおすすめします。
組織という形に所属していないからこそ、時間の余裕があるので、自分の仕事に関係する集まりの中で、ボランティア精神で係を引き受ける、地道に人に会って、リアルに話しながら、自分の人となりを知ってもらい、顔見知りになっていく。
これだけでも、ずいぶんその後の活動のしやすさが変わりました。
3.全部自分でやらなければならない。
広告宣伝、制作、管理、営業・・・。
組織に所属していたら、あたりまえに役割分担があって、依頼のあった仕事をしていたけれど、
フリーランスとなると、当然ながら話は別。
家庭用プリンタで印刷し、挨拶まわり、対象地域にポスティングする。
一人ということは、宣伝する武器も一人であるということ。
二人だと、宣伝効果も2倍です。チャンスも2倍です。
やっぱり、人の数だけ、宣伝波及効果は広がります。
まさに、フリーランスは、地道な、地道な活動です。
だからこそ、人の縁、つながりが、後になって自分に返ってくるのです。
4.人を見る目ができる。
フリーランスになって、見えてきたこと。
それは、
自分の活動に対して、
「すごいね~。」
という人を信用しなくなること。
「すごいね」という時点で、自分にはあまり関係ないと線引きされているように感じます。(もちろん、本当に賞賛の気持ちで言っている方はわかります)
同じように、「好きだね~。」も同様です。
自分の仕事です。もちろん好きだからこそ、できることです。
でも、好き以上に、今の社会に必要だと思うことだからです。
実は、フリーランスの人は、自分の信念を信じて活動しているので、周囲からの言葉に敏感になっています。これは、私だけではない!?と思います。
5.社会保険の仕組みに詳しくなる
当然ながら、ひと月の支払いがどれだけあるか把握することも、リスクマネジメントになります。
私の場合、前年度の収入がある程度あったので、住民税、道民税は結構な額がきました。そのほかに、所得税、健康保険の任意継続、国民年金・・・。
もろもろあわせて、毎月9万近く払っていました。
毎月、毎月、支払日の確認をしながら、お財布の中身を調整していました。
現金は使わず、あえてクレジットカードを使用して、お金の流れをつくっていました。
退職して、短時間就労していても、所定の範囲なら失業保険も認められるので、失業保険も受給しながら、こちらの方もずいぶん詳しくなりました。
6.運気の上昇することを行う習慣ができる
これは、経営者(成功者)がやっているものを自然とやりたくなりました。
鍵山秀三郎さんの掃除道をかぶりついて読んで、トイレ掃除を徹底的に行ったり、
毎月一日は、必ず神社にごあいさつにいく。
最初は藁をもつかむ、すがるような気持ちで始めていましたが、
こういったことが習慣になると、儀式的に、初めて行う緊張する仕事の前に行うことで、不思議と心落ち着き、その仕事も「うまくいく!」と信じることができます。
私の場合、トイレ掃除後によい電話をもらうことが多い気がします。
よく、「成功したかったら、成功者のまねをしなさい」といわれますが、
これはできそう、と思うことは、素直にまずやってみることをおすすめします。
7.気持ちのコントロールが仕事に左右される
仕事がないと、当然モチベーションも下がります。
逆に、それまでグズグズしていても、電話1本で急にテンションが上がって、
後回しにしていた作業も、どんどんやる、なんてことよくあります。
気持ちは常に一定に保ちたいものの、いつ仕事の話がくるかはわからないので、どうしても気持ちの変化の波は大きくなりがちです。
私があったことは、ポジティブなことでも仕事のことを考え始めると、
夜眠れなくなってしまって、朝夜逆転気味になった時期もありました。
日中、みんなが働いている時間が勝負の時なのに、ここで眠ってしまっていたら、
本末転倒です。やはり、ほどほどにが肝心だと学びました。
逆に、フリーランスになって、まったく仕事のないときは、かなり病んでました。
病み始めると、自分のやりたいこともぶれにぶれてしまって、現実逃避のためにひたすら眠っていたんですね。
目を開けると現実だと思うと、目を開けたくない・・・その時期があって、かなり考えあぐねった結果、今、やるべきことが絞られたので、必ず必要な時期だったんだと思います。
8.運動不足になる
仕事に行かないで、在宅となると、やはり運動量が極端に減少します。
リハビリ職であるため、雇用されていた時は、一日の歩数も1万歩以上いっていました。
ためしに、退職後、自宅で歩数計をつけたところ、一日500歩程度・・・。
愕然。
忘れもしない。退職後に行った登山では、足の筋力低下で、ふくらはぎがこれまでに感じたことのないだるさ、痛みがでました。
それから、なるべく日中は活動的に過ごすようにしています。
本当は、8つに収まらないほど、たくさんあります。
たとえば、健康診断。就労している時は、当然受けられるものも、受けられなくなります。
また、私の場合、夫の収入があるので、生活自体はできるものの、
やはりこれまでの世帯収入の半分くらいにはなってしまうので、
そこは夫の目を気にしながら、自分の仕事を確立するために、必死で自分の仕事と向き合いました。
自分がやらないと、仕事が来ないからです。
仕事がない、収入がないとなると、家庭の中の生活設計がたてられない。
これは、何としても世帯収入を安定させなければならない、と思いました。
収入としても、活動としても、
まだまだこれからですが、フリーランスになって、約1年半たって、
わかってきたことがあったため、まとめてみました。
やはり、自分の仕事に関係する場所、人とつながっておくこと、
就労という形ではないけど、様々な組織(団体やグループ、委員会等)に所属しておくこと
が、大事ではないかと思います。
職種は違えども、フリーランスを目指す方の不安はつきないと思います。
少しでも、不安を消す材料になるといいですね。
ちなみに、みなさん気になるところかと思いますが、
これまで私は、フリーランスになったことに、後悔したことはありません。
収入も低いのに、なぜか??
それは、やっぱり、自由度が高いからです。
やりたいことを自由に組み込める、
プライベートな時間も確保しつつ、仕事の時間を組める、
自分次第で仕事量、質、価値が変わることも、
これぞ仕事!という感じで、スリリングさはあるものの、とても面白いです。
もし、フリーランスや起業を考えている、悩んでいる方がいれば、
ブログやホームページから、コメント下さい。
https://taberutikara-en.jimdo.com/
出来る限り、お答えします!
以上、全国的にも珍しい!?フリーランス言語聴覚士からの8つのことでした。