フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

オンラインSTの可能性

【第110回】

オンラインSTの可能性


f:id:hassikko:20210126094405j:plain






いつもこのブログに訪問くださり
ありがとうございます。




コロナ渦により、オンラインがあっという間に主流になりましたね。


ですが、果たして
どれだけの人がオンラインを使いこなしているのか。



恐らく仕事がオンライン化した人は
全体の一部であるだろうと踏んでいます。




私自身はコロナの影響で
セミナー受講などの自己研鑽はオンラインが主流になったり、



ミーティングや交流も全国各地の方々と
毎週のように開催するようになりました。



オンライン企画をしたり、
既存の事業もオンライン化せざるを得なくなったり、



「いつか」使いこなしてみたいと思っていた
オンラインツールは一気に身近になり、


必要不可欠なものになりました。





でもその反面、

いつでも繋がれることには
窮屈さを感じることもわかりました。



移動時間がないから、
オンラインでスケジュールを詰め込んでしまう。




頭を切り替えつつ、
でも集中力や発想は続かないので


表面上のミーティングがスムーズに進行していく・・・


中身が伴っているかは置いておいて・・・





そんな事も珍しくないのではと思います。





「オンライン化する」は、


人によって使う頻度、そのレベルは異なりますね。




私の友人でとってもアクティブな方がいるのですが、

その方は、オンラインセミナーやオンラインミーティングは全然使用しないと言っていました。



関心はあるものの、必要に迫られていない様子で
「必要だ」と感じて、その世界に飛び込めばその世界は待っているけれど、



「必要だ」と感じなければ、始まらないもんなんだな、
と感じました。



うちの夫は仕事において
オンラインツールは使っていないようなのですが、



情報収集やモチベーション管理にYouTubeを活用しています。


情報収集やモチベーション管理がオンライン化した、
ということだと思いますが、




これも「オンライン化」




色んなスタイルのオンライン化があって然るべきで、



避けたいのはオンラインにしたことで、

かえって不便になる、不合理になること。




アナログをすべてデジタルにしても、
100%効率的になるわけではなく、





メモをするとか、本にしおりを挟むとか、

アナログの面は記憶の定着のためには必要であるなど、



アナログの面は残しておいた方が
かえって効率的と思っています。





コミュニケーション面もそうで、
会って話して同じ場で同じ時間を共有し、

その方のパーソナルな部分に触れると記憶に残るけれど、




オンラインで「初めまして」とたくさんの方と交流しても、

顔と名前を一致させるだけでもなかなか厳しいものです。



それだけオンラインだと得られる情報が少ないから。






だからこそ、普段からの交流、
人となりを知っている、

「この人からサービスを受けたい」など



知っているからもたらされる「安心感」が大切だと感じています。





2020年は様々なビジネスがオンライン化しました。





リハビリ業界もしかり。


特に言語聴覚療法は、

コミュニケーション訓練においてオンラインと相性が良いこともあり、
成人も小児もオンライン言語訓練のサービスが高まってきています。



でも、私が様々なオンラインセミナー等を受講してみて感じるのは、
オフラインでのリアルな会場で学んだ情報とは記憶の残り方に雲泥の差があること。



会場までの道程、
会場での講師の臨場感、
会場参加者の緊張感や興奮、
参加者との交流、
メモや記録、アイディア・・・


オンラインで記憶の定着まで図るためには、

インプット、アウトプットの工夫は不可欠です。





これは、サービスのオンライン化にもいえるのではないでしょうか。



オンラインは本来の
サービスを受ける集中力が定まりにくい。




言語聴覚療法のオンライン化で
サービスを利用出来て喜んでいる方が多いと思いますが、

改善するまでに至るには、本人の努力とセラピストの力量が問われるでしょう。




やはり、教室展開されている言語聴覚士さんのお話を聞いても、

リアルな場に足を運びたいのが人間の心情ではないか、と感じています。





その中で、「オンライン」だからできること。



食べるチカラえんでは、半年程前から

オンライン嚥下障害相談室を始めています。




その中で、利用して頂けた方にこんなケースがありました。



家族(当事者)に知られずに、家族の嚥下障害の相談がしたい。





そのため、その方は自宅ではないところから
オンラインで繋いでお話を聞かせてくださいました。



身内の介護をしていて、プライバシーを考えながら
自身も時間のやりくりがある。


その場に訪れたり、問診票に記入したりする時間も限られる中、



オンラインで相談からお話を伺って

支援の道筋をつけていく。




リアルな家庭の在宅での状況をお聞きしながら、

家族が、支援者が確かな知識をもって、

安心して、納得して介護に関われるように
背中を支えていく。




この形であれば、「オンライン」は確かな強い味方になると感じています。




全国、そして海外で暮らしていても
その在宅で行われている「嚥下障害支援」を支えたい。




嚥下障害の予防&支援 
食べるチカラえん 
では、



オンライン嚥下障害相談室*えんをすすめています。





オンラインだから、
「この人に見てほしい」がより如実にでてくるものです。




今後、巷に
リハビリのオンライン化が当たり前になったときに


「サービスの差」を見て、利用者は判断すると思います。



その時にやはり知りたくなるのは、
どんな人がサービスを提供してくれるのか、ということ。




「この人にうちの家族の話をしたい。」



そう言ってもらえて、

選んで頂けるように、



「この人に見てほしい」と思われる人でありたいと思っています。




「人」対「人」




時代がどんなに進んでも、この部分は変わりません。


人と人が出逢い、関係を築いていく。

支える。ともに歩む。


アナログの面があるからこそ、
人は人らしく、関係性を紡いでゆけるのだと思います。



最後になりますが、

オンライン嚥下障害相談室を覗いてみたい方は
どうぞこちらへ。


お待ちしています。


食べるチカラえん ホームページ