フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

言葉を意識する

【第73回】


言葉を意識する




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いつもこのブログをお読みくださり、
ありがとうございます。



新型コロナウイルス発生に伴う
現在のような全世界的、全国的な非常事態ですが、


このような時には

たくさんの情報を集めたいと思うのが
人間であり、とくに現代の人なんだなと

感じています。



不思議とこのブログの閲覧数も
いつもよりもアクセス数が伸び、



今のこのときに
どこかの誰かの安心に届いていれば、


こんなに嬉しいことはありませんね。






さてさて、今回のブログテーマ

『言葉を意識する』



常日頃、言葉を意識していて


いや、私自身、

一番大事にしているといっても過言ではないと思っています。



おそらく過去ブログにも度々書いていると思うのですが、





大切なことだから


心の状態は常に言葉に表れるから


そして、
磨いていないと、すぐに乱れて腐ってしまいやすいものだから




自分への戒めも込め、

何度でも書きたいなと思います。







言葉は品格である、ということ。






コトバンクによると、

品格とは

その人やその物に感じられる気高さや上品さ。品位。「品格が備わる」

と、あります。




よく、

美人だけど

キレイに着飾っているけど



どことなく全体的に
キレイになりきれていない人っています。



立ち姿などの姿勢、所作、
視線の動き、表情の変化や間の取り方、


そして言葉の選び方、




見た目から得られるものは


もって生まれたものと
不断の努力からなる

素晴らしいものと思いますが、




見た目を着飾るならば、



見た目以外から人が感じるものも

着飾るように丁寧に磨かないと、



全体的にとてもバランスが悪く、
一見美しいものも、歪んでしまいます。



見た目と
見た目以外のその人から涌き出る

雰囲気、知性、風格、




まとめると、

品格というものは、



付け焼き刃で
取って付けられるわけはなく、



不断の努力、心がけからくるものなんですよね。





だから、人によって大きく差がでる。




そして、


美人じゃなくても、
格好よくなくても、



気品がある人にはなることができる、

ここがとても大事なところです。




そのためには、

言葉を磨き続けること。


(もちろん見た目を清潔に保つことは、最低限のマナーですが)




言葉を磨くには、
まず言葉に意識を注ぐことです。





北海道の歯科医師 井上裕之氏
著書 『一流の死に方』(講談社)に


こんな記述があります。



品格のヒントとは、


人が見えないところで、
いかに規律をもって振る舞えるか。



誰かに見てほしくて
誉められたくて、ではない



人が見えないところで
誰も見ていなくても、



言い換えると、

誰にも誉められなくても




が、ポイントです。





誰でも
誉められると思えば頑張りますよね。




でも、違うんです。



その自分だけしか知らない世界での振る舞いが、ふとした時にでるのです。




姿勢、表情、目の動き、相づちの仕方、
呼吸のタイミング、

あらゆるものに自然と出てしまい、

日々こわいなぁと思っていますが、




その最たるものは


やはり、言葉にでると思っています。





普段の見えないところでの態度、

本心は無意識の言葉にあらわれる。






お、恐ろしいですよね。





でも、これ真実です。





よく政治家が失言して
報道の的にされていますが、




どんなにキレイな言葉で飾ろうとしても、


思っていることがポロッとでてしまう、


失敗パターンのいい例です。





自分のなかにストックしている言葉ではないと、話し言葉には出てきません。




若い人が好きな形容詞
「すごい」「やばい」



本当は、他の言葉に置き換えられる、

置き換えた方がもっと相手に伝わりやすい日本語が、


私たちの母国語のなかに


しっかりとあると思いませんか?




「すごい」を「素晴らしい」

「やばい」を「美しい、面白い、楽しい」




その時々でニュアンスは異なりますが、


簡単に置き換えただけでも、


目上の方やどんな相手の耳にも
届きやすい美しい音になります。




また、


SNSだと強い口調になったり、


相手に感情を一方的に伝えようと、

怒りマーク💢💢を乱用したり、



それ、


しっかりみんな見ています。



あぁ、この人、こうゆう人なんだなぁって。




目に入るだけでも感情むき出しで

とても不愉快です。




発した言葉には言霊が宿るといいますが、



感情任せの勢いばかりの言葉ではなく、


周りを配慮したその場に適した言葉を使って的確に相手に伝える方が、



すっと相手の懐に届きやすいものです。




言葉を話せる知性を持った人間に生まれたからこそ、



きれいな言葉を使いませんか?



言葉は人を傷つけることもできるけれど、

人を鼓舞し、支えることも、

時には人に生きる力を与えることもできるのです。





そのためには、


感情任せの汚い言葉を排除し、


聞いていて心地の良いきれいな言葉を話すこと。



これは、話し言葉も書き言葉も同じです。





最後に、
同著にはこんな記述もあります。

品格とは、人生を通じて蓄積したものの総和である。


最近、不安になる情報が
そこかしこに蔓延し、



私自身も言葉が乱れておりました。


家族に指摘してもらってハッとしました。




危ない、危ない。


言葉を磨くことを怠っていた。




だから、また言葉に意識を向けることからやり直しました。




みなさんはどうですか?




きれいな言葉を使い、

自分自身も周りの人も喜ばせられる人が


ひとりでも増えることを願っています。