安心を届けてほしい
【第74回】
安心を届けてほしい
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新型コロナウィルスに伴う社会不安が続く中、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
必要以上の情報やデマが錯綜していますね。
私は、政府の発表等はチェックしながらも、
民間放送やネットニュース、SNSはシャットアウトしています。
自分の感性、判断が鈍るからです。
こんな時こそ、自分の頭で情報を解釈し、
取捨選択し、
自分で考え決断できる人でありたい。
「誰誰がこう言ったから」「こう聞いたから」
そんな話が飛び交っていますが、
自分の頭で考える癖、判断する習慣をつけないと、
情報に踊らされ、さらに不安が不安を煽る形になります。
それを変えられるのは、一人一人の意識です。
冷静さを取り戻しましょう。
政府は、高校生以下のクラスター感染を懸念し、
大規模な方策を打ち出していますが、
本当に命の危険があるのは高齢者です。
世界、国内のデータからもそれは明らかで、
高齢者の方こそ、情報弱者で
不安な日々を送られているのではないか、と思います。
ここでひとつ、医療、介護関係者だからこそのお願いがあります。
どうか、安心を届けてほしい。
目で
言葉で
表情で
手を触れて
背中に触れて
堂々たる振る舞いで
病院、施設の高齢の方の不安を取り除いてあげてほしいのです。
とくに認知症の方は、
不穏な雰囲気に敏感です。
施設内や職員がせわしないと、敏感に感じ取り、
不穏が始まります。
そこを支えられるのは、
「人」のぬくもりからくる安心感ではないでしょうか。
昔から、「手当て」といいます。
文字通り、「手」を当てること。
そこから、対象者の不安も感じることができれば、
支援者からの安心を届けることができます。
フローレンス・ナイチンゲールの
「看護覚え書」の中でも看護の基本とされています。
こんな時だからこそ。
いま必要なのは、専門的な手技よりも、
安心を届けることではないでしょうか。
不安感情は免疫力をも低下させます。
高齢者の命が守られますように。
願ってやみません。