フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

クォリティ・オブ・ライフ

【第97回】

 

クオリティ・オブ・ライフ

 

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今日は、悲しいお知らせがありました。

 

とてもお世話になった方の突然の訃報。

 

心は未だ、動揺し続けています。

 

 

これまで、たくさんの人の死を見届けてきましたが、

人の「死」は、決して慣れたくはないこと。

 

どんな一瞬の出逢いでも、

出逢うことが決まっているからこそ、

 

自分と出逢ってくれた人の死を受け入れることは、

それ相応の時間が必要です。

 

 

生前、その方を大切に思っていてこそ。

 

 

 

 

言語聴覚士として、

 

リハビリや看取りの現場で

 

 

QOL=生活の質、命の質は、臨床上よく問われることです。

 

 

患者様の長期目標を設定する時、

QOLの維持、向上」と表現することってありませんか?

 

 

 

私はこれ、少し暴力的だなって思います。

 

 

なぜなら、

周りから見てQOLの維持、向上はわかるものではないし、

 

QOLが維持されていますね、向上しましたね、なんて

 

本人以外の人が評価すること自体、無理がある。

 

全ては主体性をもって取り組まれるべきもの。

 

 

 

生活の質、命の質

 

 

こんな大きな計ることのことの出来ないものを、

本人不在で判断できるものではないはず。

 

周りの人がそれを設定するのは

とても勝手なことだと思うのです。

 

 

全てはその方の心が決めること。

 

 

 

そして、医療人として、介護人として

 

人の人生に関わるものとして、

 

 


自分を大事にできない人が、

他人を大事にできるわけがない。

 

 

家族を大事にできないなら、

他人を大事にすることもできない。

 

 

 

と、思っています。

 

 

 

「幸せの範囲」は小さい範囲から、と言います。

 

まずは、自分や家族を精一杯幸せにする。

日々の頑張りに、働きに、ただ居てくれることに感謝する。

 

そうして輪が広がると、

外で出会う人へも自然に敬意をもって接することができる、といいます。

 

 

 

これは、その通りだと思います。

 

 

外ではいい顔をして、家では身勝手し放題。

 

そんな人もいますが、その矛盾はどこかで必ず

外の人にも気づかれます。

 

そして、見抜く人には決して信用されないんですよね。

 

 

まずは、自分を、家族を

近い範囲で、近い人から幸せに、愛を注ぐ。

 

 

そこから、生活の質、生命の質は高まっていくのではないでしょうか。

 

 

人の「死」は、いつも大切なものを気づかせてくれます。

 

 

「死」を見届けられたことに感謝して、

 

これからも、出逢ってくれた人には、

たくさんのありがとうを伝えていきたいです。