フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

目先の利益に走らされるな

【第103回】

目先の利益に走らされるな

f:id:hassikko:20200714232804j:plain






いつもこのブログに訪問くださり
ありがとうございます。




最近私の心に
すごく響いているメッセージ、




『短期で見るな、長期で見よ』




について、
今日は綴りたいと思います。




今の慌ただしい世の中において、
すぐ結果を求めることが

当然のように振舞われています。




「それで、上手くいったんですか?」
「それで、儲かったんですか?」
「それで、結果はどうですか?」




テレビを見ていても、
キャスター達からこのような発言がよく聞かれます。



限られた放送枠で、
チャンネルを変えられないために、


よりキャッチ―な内容にすることを
余儀なくされることはわかりますが、


本来、短期間に結果が出るものって、
そう多くはないものです。




短期間で結果がでても、

長期間で見た方が
より良い結果が判明したり、


物事はじっくり見た方が
全体をよく捉えられるもの

なんですよね。




でも、どうしても
今は長期よりも短期で見る人が多い。



それは、
会話をしていてもわかります。




「で、良かったの?悪かったの?」
「結論は?」




すぐに結論、結果の短期を求め、


会話の中から考え、導き出し、

感想や意見を言うことを
遠ざけてしまう・・・




そこに「思考」が入っていないので、

十分な対話がなされないことが
多いんですよね。





リハビリ職においても、

この「短期を見て長期で見れない現象」は
あてはまると思います。




急性期や回復期病院での
就職希望が集まり、


維持期や終末期を希望する人は少ない。




目先のわかりやすさを
捉えることができても、


長期的に全体を総括して
包括的に捉えることができない。



ましてやそこに、


「面白み」や「やりがい」を感じることは到底遠く及ばない・・・



これ、
結構当てはまるのではないでしょうか。





私が言いたいことは、
それでは勿体ないなぁということ。




別の言い方をすると
「具体」と「抽象」と表現できます。




具体レベルでしか
物事を捉えられない人は

抽象レベルでは物事を捉えられない。




これでは非常に見方が狭く、

気づける範囲が限定され

大事なところを見落としてしまうことがあります。




具体レベルを求める人にとって
抽象レベルの話をする人は、



いつも言っていることがわからない
早く結論を言ってよ、


ということになりますが、



抽象レベルにこそ、

解決策につながる重要なヒントが
隠されています。





自分の分野のお話をさせてもらいますと、


維持期(生活期)のリハビリは
おもしろいものです。



人は加齢により
時間の経過とともに変化する、


ことを前提にしたうえで
プログラムを組み立てると


短期で見たときとは
全く異なるプログラムになります。




置く視点が違うから、
そのようになるんですね。



短期で見ず、長期で見た方が


柔軟性があり、幅があって
断然おもしろいんです。



それは、
ゴールを遠くに設定しているから。
 

その間に取り組める
いくつものステップを用意できるから。



とても取り組みがいのあるもの
なんですよね。

(性格的な向き不向きもあるとは思いますが)





短期でみてすぐに結果を求めることは、

言い換えると


「目先の利益に走らされる」とも言えます。





キャッチ―なわかりやすさに
振り回されるな。


目先の利益に走らされるな。




長期的な目線で見られる人の方が、
ドシッと安定しているものです。



短期的な見方をしているひとは、

どこか移ろい易く、
まわりに振り回されやすく思います。




心の安定のためにも。



目先の利益に走らされないことが
必要です。



今の時代、
情報の取り方もテレビの情報を鵜呑みにし、

テレビからしか情報を得ていない人は


簡単に情報を取って
満足してしまっている

目先の利益に走らされている人です。




これだけ情報が
得られやすくなっている時代。

テレビ等でだれもが簡単に得られる情報を持っていても、


それが価値にはなりません。
ましてやその情報が真実とは限らない。



自分で情報を取りにいって、
デジタルツールや頭や

SNS等での
人とのつながりやすさを駆使して


生の情報を掴んでいく。




これらの行動は、
誰もが手に入る情報を鵜呑みにせず


立派に
目先の利益に走らされていない人です。




短期的に見たら大変な行動でも、

長期的に見たら
その努力は大きな差になってきます。




そこで初めて


「教養」と呼べるものに
近づいてくるのではないでしょうか。



目先の利益に走らされない。




これは、あらゆる事柄にあてはめて
考えられそうです。



皆さんの思考と行動のヒントになれば、
と願います。




「短期で見るな、長期で見よ」