フリーランス言語聴覚士はしっ子の weekly magazine

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~

【言語聴覚士になったばかりの人に贈るエール】言語聴覚士になった後、選択肢を広げる方法。

【第60回】


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先日、

第21回の言語聴覚士国家試験の合格発表

が発表されました。


年に1回のこの試験。


受験生、また国家試験浪人生は
並々ならぬ覚悟をもって臨んでいます。


200問の問題中、
120点以上で合格なのですが、


なにせ難しい問題も簡単な問題も、
1点は1点。


200問ある問題を
まず時間内に解けるかどうかで
合否の道が分かれます。


頭の中の膨大な知識を持ち出しながら、
膨大な問題数を解いていく。


当時、
脳が本当に酸欠状態になりました(笑)


毎年、試験内容の難易度が
変化するのですが、


今年の合格率はこんな感じでした。



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合格率** 68.9%



ちなみに
私が受験した第11回国家試験の合格率は、

57.5%でした。



この数字を高いと見るか、低いと見るか、が大事なところですが、


世の中には
合格率10~20%以下の試験は
ごろごろしています。


そして、言語聴覚士試験の合格率は
推移しているものの、

過去5年間は、
合格率60%台後半以上は
キープしています。



言語聴覚士になる間口は、

国家資格化した当初の合格率40%台の時と比較すると、


ずいぶん広くなったなぁ~と感じます。



言語聴覚士についてくわしく知りたい方はこちら。www.japanslht.or.jp




私自身の話をすると、
この試験を受けてた頃には


全く考えてもみなかった働き方を
今しています。



介護施設言語聴覚士として働きながら、

市町村や介護施設で嚥下障害予防の講演をしながら、

地域共生型カフェを運営している。
(1週間の半分以上はカフェ店主です)



自分で、自分にびっくりしています。



でも、まだまだなんですね。


まだまだ、表現したいことがある。


言語聴覚士という仕事を通して、
 

伝えたいこと、
つながりたい人、
やりたい仕事がある。



通常とは異なるキャリアを生かして、
文章を書く仕事もしたいし、 


もっと、
いくつものチームを作りながら

お仕事を生み出していきたい、
そんな風に思っています。




言語聴覚士を目指し

言語聴覚士になったら、

まずはどこかに就職するでしょう。

(初めからフリーランスは全くオススメしません)



就職して、臨床経験を積んで

様々なケースを学びながら
 

その後、どんな道を歩み、最終的に
どんな言語聴覚士になりたいのか。



そこは、言語聴覚士免許をとってから、
考え続けなければなりません。

 

この仕事についたから
出逢える人がいて、

この仕事についたから

関われる人生の終末期の
最期の一瞬があります。

 

どんな言語聴覚士になりたいか、
描いてください。

これは、職業人としての務めです。




最近読んだ本、
マキタスポーツ×西田二郎 の 
『バカともつきあって』の中で、


マキタスポーツさんが、
一次芸能界と二次芸能界の話を
されていました。


一次芸能界は、

トップ路線で活躍しながら消費が早く、
不祥事が起こったら干されやすい。

二次芸能界は、

華々しい活躍よりも、
テレビ業界以外の活動や社会的な活動も積極的に行いながら、
芸能界という場に身を置いていること。



というようにありました。


マキタスポーツさんは、
一次芸能界と二次芸能界を行ったり来たりしていると。



なるほどな、と思いました。



これ、どの業界にも当てはまるし、

まさしく現在の私の活動も
この表現ができると。


仮に、
一次リハビリテーション医療、
二次リハビリテーション医療

と名付けると、



一次リハビリテーション医療は、

発症後、病院等で積極的なリハビリテーションが必要な時期に行うこと。
医療報酬削減に伴い、介護保険をより活用しながら、リハビリに取り組む人、環境。


二次リハビリテーション医療は、

一次リハビリテーション医療卒業後などに、生活する環境、地域。
障害に理解ある人が増え、場所が増え、地域一体となって、
「もしも自分や身内が障害をもっても困らないよう」
誰もが責任をもって、障害に強いまちづくりに参加している。


と、分類してみました。


私自身は、

一次リハビリテーション医療に属しながら、
介護施設で臨床業務に携わりながら)


二次リハビリテーション医療の活動に力を注ぎ、
(講演や嚥下食の購入、食べれる、知識を知れるカフェ運営)


その一次リハビリテーション医療と、
二次リハビリテーション医療を
行ったり来たりしている。



これは非常に柔軟性が高いと思います。



結論としては、

私が提唱する一次リハビリテーション医療に属しても、
二次リハビリテーション医療に属しても

どちらでもいいと思っています。



これからぜひ願いたいことは、

一次リハビリテーション医療に属する人が、
二次リハビリテーション医療にも関心をもち、

そういった活動を
なんらかの方法で行っていく人が増えていくこと。


組織に属しながらでも、
時間をかけて行っていく。


その意識が、
地域をどんどん変えていきます。

特に地方こそ浸透しやすい。




初めから、
「こんな言語聴覚士になりたい」は
定まりません。


迷って、悩んでなんぼのものです。



なにはともあれ、まずは経験です。
いっぱいもまれてください。


患者様、利用者様に、
たくさん育ててもらってください。


そしていつか、
自分だけの道を歩む
言語聴覚士になってください。



初めから意識を高く、継続は力なり。



この業界は狭いです。
きっとどこかでお逢いできるでしょう。


貴方の活躍を願って。
がんばれ、新社会人。